厚生省の「ダイオキシン発生防止ガイドライン」にもとづく

  江別市の取り組みについての公開質問状 に対する回答

             作成:1997.3.7 江別きれいな風の会

  2月7日に、江別市長に提出していました質問状への回答を、3月5日清掃事務所でいただきましたのでその内容について、下記の通りご報告いたします。なお、最初の部分が質問とそれに対する文書回答、*を付けた部分はそれに対する補足です。

 1)昨年の11月15日に実施したダイオキシンの測定値を教えてください。

    答)平成9年1月16日付けで測定結果が出ましたが、5.1ng-TEQ/m3N (*)       です。

  ng :ナノグラム 10-9(10億分の1) 
    TEQ:総量を四塩化ジベンゾダイオキシンの量に換算したことを示す
    N :摂氏0度の状態  

    つまり、電気集塵機の出口の灰で測ったダイオキシンの値は、0℃の 状態で、1立方mあたり、史上最強の毒物といわれる2、3、7、8-四塩化 ジベンゾダイオキシン(2・3・7・8-TCDD)に換算して、5.1ナノグラムだったということ。(今までの国の暫定基準は、80ng、新基準は0.1ng)

  2)新ガイドラインにあるダイオキシン類排出濃度の新基準0.1ナノグラムをいつまでに、達成する計画でしょうか?

    答)現施設(*1)は昭和56年の供用開始から16年を経過しておりますので、将来現施設の更新を予定しています。

      更新時の新施設(*2)においては、新ガイドライン(排出基準値 

     0.1ng-TEQ/m3N以下)に沿った新焼却施設を計画致します。

     *1 現施設については、80ハng以下であれば、改修の必要はない。1ng

       になるよう、努力するようにはなっているが、期限は新ガイドライン

       にうたわれていない。(厚生省の見解として、5年後にはすべての施設

       が、耐用年数の関係から新しいものに変わると考えているようだ。)

       ただし、江別市では次のような取り組みにより、平成9年度中に達成でき

       るよう努力する。

     *2 新施設は、平成15年の稼働を予定しているので、12年に着工しなければ

       間に合わない。新施設については、焼却施設とは限らない。発電等に

       ついても考えに入れながらどのような方法にするか、新処理システム担当       を

置いて検討している。ただし、ここでは、現在一般廃棄物の処理計画

       (H15までの)を策定している。来年度は、専門の室にして、H11年に

       方式を決定する予定だ。また、新施設については、H23年の想定人口に

       対応するものとする。  

  3)新基準達成のための具体的な取り組みについて、内容を教えてください。

    答)新施設(*1)建設までは、新ガイドラインの基準に適合することを

      目標として、技術的に可能な部分から対策を進めてまいります。

    ○具体的な対応は次のとおりです。

    ※新ガイドラインに示された、既設のごみ焼却施設に係る対策に沿った運 

    転管理を行い削減に努めます。

 

      *1 燃焼時のごみの滞留時間を長くすることと、バグフィルターを

        使うことが特徴 

  

    1、施設運営

       ・ごみの受け入れに際し、家庭系ごみ及び事業系ごみを可能な限り

       混合し、ゴミ質の均一化を図ります。(ごみカロリーの調整を図る)

       

       ・施設能力(*1)を超えない適正運転の励行及び燃焼温度(*2)

        を適正に維持できる焼却量(*3)の範囲内での運転を遂行 

        します。(*4)

      *1 1基あたり75t/日で、2基なので150t/日

        現在の施設は、人口12万人を想定したもの

      *2 850℃(ある程度の量がないと難しい)

      *3 110t/日必要(1基あたり55t)  

      *4 2〜3ヶ月に一度定期整備をやるために、1基ずつ止める必要が

        ある。それに備えて、ピットにごみをためたりしてごみの量を

        調節している。

    2、燃焼設備

       ・燃焼温度、安定燃焼の励行

         焼却炉は高温(*1)な燃焼のため、燃焼室の一部に灰が溶融 

        して灰のかたまり(クリンカと言う)が発生し、燃焼状態を損な 

        う(*2)ことがあるから、8年度から2年次計画で改修(*3) 

        を行い、安定燃焼を図っていきます。

      *1 部分的に1000〜1050℃の高温になる。 

      *2 クリンカが炉内の壁にできるため、炉が狭くなり、燃焼状態が

        悪くなって、温度が下がる。今までは、1日1回、4mの棒で、

        つついて除去していた。

      *3 クリンカの出来やすい部分をレンガから鉄に変える。これで、

        温度を下げることが出来る。去年の10月に一部やったが、効果が

        ある。今年の3月と、6月で全部完了させたい。

      ** 950〜1000℃で、NOX(窒素酸化物)の発生量が急増する。

         そのため、燃焼温度の抑制が必要だ。また、水の噴射で除去して

         いる。

      以下、質疑は、K:会員 S:清掃事務所

      ** K:基本的には24時間運転なので、温度を保つことは可能だと

          思うが、定期整備のために止める時は、どうしてもダイオキ

          シンが発生しやすくなるのではないか?

         S:特にたち上げの時が炉が冷えているため、温度が上がり

          にくく心配だ。すばやくやるよう努力している。

 

    3、ガス冷却設備(空気予熱機も含みます)

       ・現在までと同様、定期整備等の休炉時に適正にダスト除去を実施 

       し、堆積の抑制を図ります。

    4、排ガス処理設備

       ・設備は電気集じん機(*1)でありますが、排ガスの低温化(*2)

        に努めます。

       *1 850℃の高温でダイオキシンが分解されるが、この電気集塵機

         のところで冷やされて再合成される。

       *2 設計温度は300℃で、現在は290℃で、ダイオキシンが出来や

         すい温度。それを、250〜280℃にする。もっと下げるのが好ま

         しいが、これ以上下げると、機械が低温腐食する。その点、バグ

         フィルターなら200℃まで下げることができるので、発生の抑制

         に効果的なのだ。

      ** 1〜4までの対応に、費用はそれほどかからない。

      ** K:焼却灰はどう処分しているのか?

         S:八幡の最終処分場(管理型)で処分している。

         K:管理型というと、底にゴムシートを敷いているのか?

         S:管理型でも地層によっては、ゴムシートは必要ないことに

           なっている。ここは、粘土質なので、ゴムシートは敷かなく

           ても良いことになっている。また、ダイオキシンは安定して

           いるので水に溶けない。

         K:飛散防止はどうしているのか?

         S:すばやく水で混ぜ練りにして運び、出来るだけ早く上にごみ

           をかぶせるようにしている。

         K:灰の溶融設備は持てないのか?

         S:新しい焼却施設については、それがないと、国の補助がもら

           えなくなるだろう。

         K:灰の溶融で出来たものは、どうするのか?

         S:骨材・路盤材として、利用できると聞く。

         K:安全性はどうなのか?    

         S:ガラスのようなものなので、安定しているので、安全だと聞く。        

 K:路盤材になるものが増えてきていますね。カレットもそうだし。         S:建設廃材の

コンクリートがらも。  

  4)ダイオキシン発生の原因の排除のためには、市民の自覚と実践が重要だと

    思いますが、発生防止のための市民への広報について教えてください。

      

   (プラスチックは、燃やせないごみにという分別の徹底のための対策、原因

    と言われている塩ビの排出・焼却に対する具体的な警告等)

    答)平成9年度において、発行を予定しています「仮称」清掃行政広報紙

    (年2回)にコーナーを設け分別の徹底等を含め啓蒙に努めます。

      なお、具体的な内容(*1)についてはこれから所内でいろいろな角

     度から検討します。

  

      *1 K:何を燃やすとダイオキシンが発生するかや、家庭での焼却に

          ついての注意も入れてほしい。

         S:入れるつもりだ。ただし、1号目になるか、2号目になるか

             はわからない。

         K:最初の方が、インパクトが強いと思う。

      ** K:生ごみは、水分を含んでいるので、温度が下がる原因になる

          のではないか?これがなくなることは、効果があるのではないか? 

         S:コンポスターへの助成を平成3年から実施しており、9年度から

          は、EMについても補助の予定だ。

         K:コンポスト化の大型施設は考えていないか?

         S:想定の一つにはあるが、場所の確保が出来るかどうか難しい。

          また、それ以外の施設も必要になるので、予算的にも難しいと思う。

          生ゴミがなくなると燃焼温度が高くなりすぎるので、炉の傷みが

          倍増する。長沼には堆肥化施設があるが、農家の野菜くず等を

          対象としているのではないか?また、生ごみを含めたRDFもある。

  5)焼却場職員への影響の実態調査・及び安全対策はどうなっているか、教え

   てください。

    焼却場職員の毛髪中のダイオキシン濃度が、一般よりも3〜5倍高いという

   報告があると聞いていますので、気がかりです。

    答)・安全対策につきましては、安全衛生法(*1)に基づき万全を期し

       ています。

      ・独自に焼却灰の飛散防止として、炉内への排気設備の取付及び防じ

       んマスクの着用を励行しています。

      *1 ダイオキシンについてのものはない。

  6)年1回の排出濃度測定について、次回の予定と公表方法を教えてください。

    答)・排出濃度測定と、測定結果の公表については速やかに検討(*1)

       してまいります。

      *1 新ガイドラインが出たのが今年の1月28日だったので、予算要求は

        していない。補正予算で組むか、既定予算の中で調達するかは、未定。

     ** K:費用はどのくらいかかるのか?

        S:今回の測定は、1炉のみの排ガスを対象にしたもので123万円。

         2炉で、灰と煙になると300万円くらいか?通達では、同様の内容

         なので、1炉でいいことになっている。

        K:2炉とも測ったところ、値はどちらも高くはないものの5倍の開き

         があったと言う話も聞いているが。

        S:目視で燃焼状態はだいたいわかる。今回の測定(11月)は、

         条件の悪い方でやった。

        K:燃焼条件は夏が悪くなりやすい。今年は夏に測定できないか?

        S:予算の関係で、もう少し遅くなりそうだ。

        K:清掃全体の予算はどのくらいなのか?       

        S:人件費を除いて約5億円。(委託費が約1億2千万円)

        K:その額からすると、300万円は、すぐ出せそうな気がするが。

        S:必要額を積み重ねたものなので、まわすことは出来ない。

     ** S:新ガイドラインでは、測定の結果が、1ng以下だと、隔年の測定で

         良くなる。

        K:毎年、測定はしてほしい。

  7)札幌市は、プラスチックも一部可燃ごみとしているので、江別市よりも濃

   度が高い可能性が考えられます。厚別の清掃工場や、計画中の第五清掃工場

   の江別市への影響も、心配です。そこで、厚別清掃工場のダイオキシン類排 

   出濃度と排出防止計画、第五清掃工場のダイオキシン排出防止計画について、

   教えてくださ。また、江別市として、何等かの安全対策の要望をする予定が

   あるかについても教えてください。

   答)・第五清掃工場は、建設の計画の段階であることから新ガイドラインに

      沿う新設炉であると聞いています。

     ・厚別清掃工場は当市と同様に新ガイドラインに沿った運転管理を進め

      ることを確認しております。(*1)

     ・なお、質問の主旨については、札幌市の担当部局と連携を図りながら

      対応してまいります。

     *1 余熱利用のためのボイラー付きなので、ごみの滞留時間が長いため、

       ダイオキシンの発生が抑えられる。数値は教えてもらえなかったが、

       悪い結果ではなかったらしい。 

最後に

 回答をお聞きして、清掃事務所の方が、大変丁寧に、誠実に取り組んでいらっしゃる  ことが感じられ心強く思いました。また、焼却場の仕事は、想像以上に熟練の必要な  「職人」の仕事だという気がしました。ダイオキシンの発生抑制について、今回の  ガイドラインにより、市町村の担当となる一般廃棄物の焼却炉については前進した  ことが、わかりましたが、産業廃棄物の焼却や、5t未満の焼却炉等については、  法律が未整備なので、大きな不安が残ります。(文責:岡崎)

 なお、3月7日発行の「週間金曜日」には、以下の事が記されていました。

・所沢市議会で、ダイオキシンに関する全国初の規制条例を検討している。

・2月13日、WHO(世界保健機構)の国際がん研究機関(IARC)は、  ダイオキシン類の中で最も毒性の強い「2・3・7・8 - TCDD」につき、  人に対する発ガン性を認めた。これにより、国際的な評価の上で「危険度」が  1000倍増すといわれる。厚生省が設定したばかりの新ガイドライン自体、  今後何らかの見直しが必要になってきそうだ。

      (山田 勝 「ダイオキシンによるガン多発地帯を行く」)

               江別きれいな風の会

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