南喜岳の三千代を訪ねて        

 

お盆に三千代のお墓参りしたおり、えぞ山岳会OB会が芦別南喜岳追悼山行を計画していることを父から聞きました。

前々から南喜岳の三千代のもと(ケルン)を一度訪ねたいと考えていましたので、すぐ参加することを決めました。

 いつかは芦別南喜岳に登ろうと思っていましたが、その機会をもてず、はや二十年の年月が流れてしまいました。

この度のえぞ山岳会OB会の計らいでかねてからの願いがかない心より感謝している次第です。

 前夜に一緒に山に登る方たちをご紹介してもらいましたが、そのおりには三千代の思い出をいろいろ聞かせていただき大変うれしく思いました。

いつまでも三千代のことを心に留め置いていただくことが家族としては一番の喜びです。

 山行当日は、好天にめぐまれ、無事、三千代のもとを訪ねることができました。

 山登りの経験も無く、多少不安がありましたが「ゆっくり、休みながら」のペ−スを山岳会の方が配慮してくださり、そのお蔭で念願のレリ−フ訪問を果たすことができました。

山行の途中も、山のことなど色々話してださり、とても楽しかったです。

 芦別岳山頂から南喜岳のケルンを望みながら遭難地点を教えていただきましたが、「あそこで、三千代が・・・」と思った途端、一瞬のうちに思いは二十年前にさかのぼり胸が痛くなりました。

それから、ケルンにつくまではずっと三千代のことばかり考え続けていました。

追悼会では、三千代に父も母も兄たちもみんな元気で幸せに暮らしていることを知らせ、この山で安心して眠るよう祈ってきました。

ケルンにとまったアゲハ蝶に三千代の姿を重ねながら、手を合わせていました。