071物語
銘鳩071物語:フィクションです!
本日(平成12年5月18日〔木〕)、昨年の5月10日に実施されたGN 11
00k(稚内)に参加した本校理科部作翔の98LC07071WB(ホワイトブ
ルー)♂が1年ぶりに帰還しました。お疲れ様。やったー!
1998年の4月は、現在の本校理科部の3年生が入学した年です。部活動として
取組んだのもこの平成10年度からで、この年は、30個の脚環を購入してました。
071号はその年の1番最初に孵化した鳩です。同腹は、孵化の直前に何が原因か
わかりませんが、朝卵が床に落ちて転がっていました。残念ながら孵化には至りま
せんでした。
血統的には、父は93年生れの100%のヤンセンです。母は92年生れのWBで
チョコレートを薄くした羽色でシルバーともちょっと違う面白い色でした。071号は母
親譲りの羽色で灰ですが、主翼はWBの特徴が良く出ています(血統書参照)。
071号の両親とも、当時墨田川高校生物部の顧問をしておられた雨森先生から
譲っていただいたトリです。ちなみに、この93年生れの父の子(異母兄弟)は、今
年の東日本CHに参加してます。
071号は秋の連合会訓練まで、無事失踪することなく残りました。60kの訓練こ
そ平凡な帰還でしたが、80kと100kは自鳩舎トップで帰還したのです。次の200
kは自鳩舎3番手で帰還。満を持して迎えた300kレースで帰らぬトリとなりました。
学校の近く(3キロほど離れている)に、いつも廃材をもらっては巣箱や止まり木
を作らせてもらっている材木屋(大工)さんがあります。冬休みに、いつも通り古材
を生徒ともらいに行った時の事です。そこはレースはしてませんが、鳩を飼っていて
その小屋を覗いてみたら、071号がいたのです。まあ、ここで余生を過ごすのも良
いだろうということで、そのときは071号はそのままで生徒も了解の上、学校に戻
りました。
平成11年の春季レースも始まり、600kの1週間前の3月17日になんとあの
071号が帰還したのです。もちろん他の鳩達の舎外についてはいけません。2・3
日は舎外は置いてきぼりでした。そうしているうちに、地区Nの登録です。まあ、舎
外からだけど行ってみるか。ということでその年の春季レースの最初が700kとうい
無謀な参加をしたのですが、翌朝帰還。このレースは8羽参加で全鳩帰還しました。
この年の地区Nは、全鳩帰還というすばらしい内容でした。1つ前の600kでストッ
プしたトリが3羽いました。1羽は600kで後日のトリです。あとの2羽は番に
なっていてジャンプして800kに出すつもりでした。地区Nの帰還状況があまりに
もよかったので、この3羽にプラスして071号をまたもや海越えレースに投入した
のです。これは、いじめだったかも知れません。しかし、番で抱卵で参加した2羽は
当日帰還。そして、何と071号はこの800kGP(長万部)も翌朝帰還していた
のです。
800kは4羽参加して3羽帰還しました。この時点で海越えしているトリが、1
0羽いたことになります(スタートは17羽で071号を入れると18羽)。その中
で071号は唯一海越え2回のトリになっていたのです。もっとも071号は春季の
レースは地区NとGPの2回しか参加していませんでしたが・・・。
この年(春季レース)はGN1100k帰還が目標でした。同じ連合会の方に作出し
ていただき使翔していた2羽の栗を除き、8羽がGN稚内に行くことになります。しか
し、GN稚内は、本校理科部は記録期間内(7日間)の帰還はなく、生徒ともども失意
の状態でした。審査委員長さんにも7日目の夜に電話を入れたことをいまでも思い出
します。序列がでなくとも良いから、帰還証明をお願いしていたからです。結局GN1
100kは全滅でした。
今年(2000年)のGNとCHは7日間日延べという悪いコンデションでの放鳩とな
りました。5月18日(木)CHが5:00、GNが7:10の放鳩でした。なんと071
号はその日の夕方に帰還したのです。まったく言いようのない何とも言い現わせない
気持ちでした。どこかの鳩舎にいたのでしょう。もしかしたら、以前のところだった
のかも知れません。
生徒とこんなこともあるんだね。と言い合ったものです。そして、今回のCHは何か
あるかも知れないぞ!と私は生徒に言いました。翌朝5:00からCHの帰還を待ちま
したが、結局1羽も来ません。夕方ヒナの舎外をしていて生徒が「帰ってきまし
た。」と私のところに報告に来たのです。「何が来た?」とたずねると「503号で
す。」と。そうです。この503は99年生れの071号の異母兄弟だったのです。
やはり血でしょうか。
この瞬間に、昨年(平成11年春季)と今年(平成12年春季)の両方の目標であ
るGNとCHの帰還が1年越しとは言え、たった2日で達成されたのです。長い長い東日
本CHレ−スであり、GN1100kレースでした。071号はその類稀な帰巣性と多
くのエピソードを抱えて来春は種鳩として活躍してもらう予定です。そして、503
号は来春の長距離レースに再チャレンジさせる予定です。
こんな迷鳩071号ですが、いつしか銘鳩071号になることを夢見てこの物語を
閉じたいと思います。ご精読ありがとうございました。
-- Jan Aarden愛好家こと、千葉県立柏南高等学校理科部 顧問 中山 正彦 --