応用編:レース鳩とエサ



飛翔テクニック編で基本のエサとして下記の4種類作り喰わせ込んで仕上げました!このエサは基本中の基本です。

配合飼料・・・エサA
配合飼料をフルイにかけた小粒5割 + 大麦5割・・・エサB
配合飼料をフルイにかけた大粒7割 + (麻の実入り)巣引き3割・・・エサC
配合飼料5割+コーン2割+麻の実2.5割+ピーナッツ0.5割・・・エサDの4種類を作ります。




*それぞれのエサ単品の作用や効果を記述します!これらの基本知識が無ければ血統や天候(風向き)に対応したエサを選び出すことが出来ません。

・コーンは鳩を軽くし筋肉が張る(堅く成る)作用が有ります!そして、すぐに使うことのできるエネルギーに成ります。
・ピースは鳩を重くする作用が有ります。すぐに使うことは出来ないが持続力のあるエネルギーに成ります。
・ピーナッツもピース同様の効果が有ります。しかしピースを使った時とピーナッツを使った時とでは鳩の肉質に違いが有ります。ピースの時は肉が詰まった感じになり、ピーナッツの時はジューシーな肉に成った感じです。
・麻の実は一気に使う事の出来るエネルギーに成ります。
・大麦は、すぐにエネルギーに成るのですがエネルギーの蓄積には不向きです。しかし、消化が良く腸の働きを整えます。


<中距離レース>
通常の配合飼料:エサAの1種類だけをグラム数だけ変えて与えて仕上げても十分に仕上げる事が出来ます!
しかし、その状態で優勝(総合優勝)が出来るかどうかは何とも云えません。それは、鳩を重めにしてエネルギーを満タンで仕上げたのか、鳩を軽めにしてエネルギー7割で仕上げたのかで大きく違います!
向かい風のレースでは重めの満タンがもちろん有利ですし、追い風では軽めの7割が有利です。
鳩を運動(強制舎外や訓練)させ、エサを多く食い込ませ無ければ鳩は仕上がりません!しかし、狙ったレースの天候や風によって重たくしたり軽くしたりを使い分けなければ勝利を掴む事は出来ません。
喰い込ませながら重さを制御するには、エサの質を変え対応するしか有りません。
飛翔テクニック編での基本のエサ(4種類)を与えての仕上げ方は、中距離血統の鳩を500k〜700kで分速1,200m程で決着するレースに併せた仕上げ方であり、しかも放鳩の日延べは無い場合のものです!
ここで皆さんはどのような血統の鳩を飼われていますか?長距離血統の鳩!中距離スピード血統の鳩!その中間の鳩!様々であると思います。異なった鳩を仕上げるには異なったエサが必要です!


*距離適正とエサ

基本的に長距離血統の鳩はスタミナ型の鳩で有るため上記の基本のエサでの仕上げかたではスピードが出ません!ではどのようにするか?!
エサAとエサBは基本と同様で変化させる事は無いがエサCとエサDを同じ配合しにて配合飼料5割+コーン3割+ピース1割+麻の実1割とする。
理由はエネルギーの蓄積を図るより鳩を軽くしエネルギー7割でも軽さによるスピードを付けるためである。しかし、難レースに当たると如何に長距離ラインの鳩であっても落ちることが十分考えられる。
注意)上記の長距離ライン用のエサを中距離スピード鳩に使用すると1,500m以上の高分速レース以外は未帰還鳩が多くでると考えられる。
他の鳩舎と同様の訓練をして仕上げてレース参加しているのに帰還率が大幅に悪い場合はこのようなミスを犯して居る場合が多く見られる。

軽さとスピードは比例しているが帰還率とは反比例しています。

*天候&風向きとエサ

配合飼料5割に何を何割ほどブレンドするかで向かい風や追い風に対応させる。
基本的にはコーン2に対しピース1で鳩の持っている重さで仕上がると考えています。ピースではなくピーナッツを使用するとコーンの1/4を入れることで同じ効果に成ります。
追い風との判断の場合はコーンの比率を上げ、向かい風を読んだならコーンの比率を下げます。しかし、優勝を狙うなら麻の実の量を多少多めにする方が結果は良いと判断しています。

エサを与える量と日数は仕上げ編で書いて有る通りです。(下記にも示します!)
レース帰還日       20g/羽        舎外無し
1 日 目       15g+15g/羽   舎外無し
2 日 目       15g+15g/羽   舎外無し:水浴び
3 日 目       15g+15g/羽   舎外無し
4 日 目       15g+15g/羽   舎外無し
5 日 目       15g+15g/羽   朝のみ舎外
6 日 目       15g+15g/羽   朝のみ舎外
7 日 目       18g+18g/羽   朝・夕舎外
8 日 目       20g+20g/羽   朝・夕舎外:強制
9 日 目       20g+20g/羽   訓練30K〜50K後水浴び
10日 目       22g+22g/羽   朝・夕舎外:強制
11日 目       23g+23g/羽   朝・夕舎外:強制
12日 目       持ち寄り時間により加減して与える。


中距離レースは鳩半分:飼い主半分で成績が決まります。飼い主のレース状況の判断とそのレース展開に合ったエサでの仕上げによって可成りの確率で上位に来ます。



<長距離レース>
長距離レースは鳩7割:飼い主3割で勝負が決まりますので中距離ほどテクニックが効きませんが、間違った仕上げをして帰ってくるようなレースでは無いのでキッチリ仕上げてレースに参加させたいものです。
単品の効果は中距離と全く変わりません。自分の飼っている鳩の足りない部分を補ってやるエサを与える事を考えましょう。

*スピードタイプには、ピースやピーナッツを多めに配合しコーンを少し控えます。配合飼料5割+コーン1割+(麻の実入り)巣引き3割+ピース0.5割+ピーナッツ0.5割を基本として与えます。

*粘りのタイプには、コーンを多少多めに配合し強制舎外と併せ与えます。配合飼料5割+コーン2割+ (麻の実入り)巣引き2割+ピース0.5割+ピーナッツ0.5割を基本として与えます。

抱卵での参加か分離での参加かで多少エサの与え方が違ってきますエサの質は大きく変わらないと考えて下さい。

基本的に仕上げ期間は中距離2週間で長距離3週間を目安にしています。
レース帰還日       エサB 20g/羽       舎外無し
1 日 目       エサB 15g+15g/羽   舎外無し
2 日 目       エサB 15g+15g/羽   舎外無し:水浴び
3 日 目       応 用 15g+15g/羽   舎外無し
4 日 目       応 用 20g+20g/羽   舎外無し
5 日 目       応 用 20g+20g/羽   舎外無し
6 日 目       応 用 20g+20g/羽   舎外無し
7 日 目       エサB 15g+15g/羽   朝のみ舎外:出すだけ自由
8 日 目       エサB 15g+15g/羽   朝のみ舎外:出すだけ自由
9 日 目       エサA 15g+15g/羽   訓練50K〜70K後水浴び
10日 目       エサA 15g+15g/羽   朝・夕舎外:出すだけ自由
11日 目       応 用 15g+15g/羽   朝・夕舎外:出すだけ自由
12日 目       応 用 18g+18g/羽   朝・夕舎外:出すだけ自由
13日 目       応 用 18g+18g/羽   朝・夕舎外:出すだけ自由
14日 目       応 用 18g+18g/羽   朝・夕舎外:出すだけ自由
15日 目       応 用 20g+20g/羽   朝・夕舎外:強制
16日 目       応 用 20g+20g/羽   訓練30K〜50K後水浴び
17日 目       応 用 満     腹/羽   朝・夕舎外:強制
18日 目       応 用 満     腹/羽   朝・夕舎外:出すだけ自由
19日 目       持ち寄り時間により加減して与える。


このエサの他に帰巣本能を妨げないような管理を心がけ、持ち寄り4日前まではのんびりとした管理を行って下さい。



基本的にレース状況を予想しその鳩に合った状態で仕上げる事が出来るか出来ないかが鍵です。
良く鳩レースには、必勝法が無いと言われるのは、自然を相手に100%の予想をする事が不可能で有ることから来る事と私は考えています。
最低限の仕上げをしてやれないオーナーの鳩は本当に可愛そうです。帰る能力が有るのに帰る事の出来ない状態でレースに参加させるのですから!
たまたま知識が無くてもまぐれで仕上がることが有りますので理論は関係ないと云うのだと思います。
レース当日の状況を的確に判断できる知識を身につけ、それに合った状態でレース参加させられるテクニックを磨くことを勉強し続けたいと思っています。