レース鳩において目は重要!!
目に凝ると飛ばない=でも目を知らなくては飛ばない?!


鳩界では、昔から飛ぶ鳩についての研究が盛んで血統、体型、身体的特徴からの格言や話が多く存在します。 多分、有る部分を見て確実に判断できる基準は無いのだと思います。
日本の巨匠の岩田誠三氏をもって「鳩レースは難しい」と云っておられます。
しかし、確実に飛ぶことは解りませんが飛ぶ可能性が高いを判断できないかを考えたとき研究の余地はあります。
そんなことで、このページでは「目」についての概要を書きます。
*興味のない方は見ないで下さい!*

目の基本は、柿目と銀目から始まります。鳩の目の中心に黒い円形の部分が有ります。それが瞳孔です。 そして、その周りにアイサインが有ります。アイサインを取り巻く部分の色が柿(オレンジ)色だと柿目、銀(ホワイト)色だと銀目です。
その柿色や銀色の外側に柿色の濃い(赤みがかった)部分が有ります。この部分がハッキリしている目が2枚目で、アイサインの外側から同一色のみの(色の濃い部分が無い)鳩が1枚目です。
昔から珍重?されている「白石目」は銀目の1枚目です。
更に目を分類すると、金目、褐色目、バイオレット、等があります。褐色の目は、柿目の一種で有ると考えていますが目としては大変色素の濃いものです。バイオレットは銀目の色素で濃い鳩と思っています。
金目は、随分多くの金目?の鳩を見せて貰いましたが私は銀目の一種であると考えています。ルーペで構造を見ると銀目の鳩に近い(殆ど同じ)構造をしています。構造は銀目で色が柿色に出た鳩が金目と考えています。
後はアイサイン(瞳孔の周りを取り巻く帯状の部分:幅は0.5mmほどのもの)の色で黒色、柿色、青色、緑色が有ります。黒いアイサインはその上に好きな色を乗せやすい為、種場として便利です。色としては柿色と青色が対象色で中間に緑が有ります。絵の具でも柿色と青色を混ぜると緑色に成ります。
柿色のアイサインは柿目から青色のアイサインは銀目から出るものと考えていますが逆に成る鳩も多くいます。私は逆に入った鳩が選手でも種でも良いと思っています。
ここまでは、「色」に関する所です。
そのほかに、構造(色素の荒さ)が目には有ります。色素の粒子が細かいか粗いか、2枚目の鳩の色の段差がハッキリしているかなどが構造として上げられます。
更にアイサインの巻き方や幅&瞳孔の絞り方や速度も重要なポイントです。


一般的に2枚目でアイサインが瞳孔を完全に巻いていない(後ろ部分などが掛けている)鳩で前方にシミの出ている粒子の粗い鳩は、スピードが出ます。
また、2枚目の段差がハッキリしていて、アイサインの色が緑系統なら更にスピードが出ます。そしてその目の外側(2枚目の外側の色の濃い部分)の色の色素が濃い鳩は粘りも有ります。
私は高分速スピードバードで我慢して長距離を帰ってくる鳩作りを考えていますのでこのような目の鳩を多く作出しようとしています。
長距離を何回も粘って帰すためには色素の濃い1枚目に近い構造でアイサインは厚くぐるっと巻いた青色で粒子の細かい目の鳩を多く作出する事が良いと思います。
勿論、瞳孔の絞りは機敏に反応し強く絞るものがスピードも出ます。しかし、行きすぎると舎外失踪などをする神経質な鳩に成りますので気を付けて下さい。



目として、どの様な配合をすると色素が濃くなるか!アイサインを厚く巻く為には!アイサインの色をグリーンにするには!2枚目の段差をハッキリするには!粒子を細かくするには(荒くするには)!など、方法が解らなければ思った鳩を作り出すことは出来ません。
私は、種鳩の目を1枚目(褐色:白銀目(近い):柿色)と2枚目ハッキリと段差の付いた2種類を揃えています。アイサインは厚く巻いたものを多くしなるべくグルッと巻いた鳩にしています。(アイサインは、基本的に全て巻いている鳩が種鳩に居ない場合はグルッと巻く鳩を作ることが出来ません)
これらの組み合わせで作りたい目が多くでる配合を考えて作出しています。
基本的に色に関する部分は、柿目と銀目を交配する事で良い方向に行くと思います。柿目と柿目を何代も配合すると少しづつ色素が薄く成り(明るさは増す)、銀目を何代も配合すると暗い(色素は濃い)目に成っていきます。
特異的にヤンセン系では銀目同士の配合で色素の抜けた様な鳩が多く出現しますが、これは近親の為におこるものです。


ここでは、作ろうとする鳩が種鳩に居ないときの方法を書きました。作ろうとした鳩の特徴を持った種鳩が居ればそれらを配合して下さい。しかし、代々受け継がれている特徴を持った鳩に一代雑種で作った同一特徴の鳩を配合するのがベストです。
・アイサインの青色&緑色
作り方=柿色アイサイン×黒色アイサインで青色アイサインを作り柿色で割っていく!
・アイサインの幅を厚くする
作り方=アイサインが切れていても部分的に厚い物×薄くても良いがグルッと巻いているもの
・2枚目の段差をハッキリする
作り方=色素の濃い1枚目×(色素の濃い1枚目×色素の薄い1枚目)に2枚目を配合!
作り方=粒子の粗い2枚目×粒子の細かい1枚目
・粒子を細かくする
作り方=色素の濃い鳩×色素の濃い鳩
・粒子を荒くする
作り方=色素の薄い鳩×色素の薄い鳩


この項つづく