協働場の提言書

～市民活動センターの創設に向けて～

提言書（案）

2005年(平成17年)9月

目　　次

はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１

1 「市民活動センター」創設の必要性・・・・・・・・・・・・・・・・・・３

(1)「市民活動センター」創設の背景・・・・・・・・・・・・・・・・３

(2)「市民活動センター」創設の必要性・・・・・・・・・・・・・・・・・３

(3)「市民活動センター」の創設効果・・・・・・・・・・・・・・・・・・４

2 私たちの「市民活動センター」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・５

(1)　設立目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・５

(2)「市民活動センター」の基本的役割・・・・・・・・・・・・・・・・・５

(3)「市民活動センター」の検討経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・６

(4)　候補地の特定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・６

(5)　先進事例調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・７

(6)「市民活動センター」の業務・事業・・・・・・・・・・・・・・・・・８

(7)「市民活動センター」の機能と設備・・・・・・・・・・・・・・・・１１

3 「市民活動センター」の運営・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１３

(1)　運営の基本的な考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１３

(2)　運営形態および組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１３

4 江別市への協力要望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１４

(1)　建物に関すること・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１４

(2)　運営経費等に関すること・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１５

5 今後の進め方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１５

　資料

｢場｣の整備に関する実行委員会活動経緯

私たち「えべつ市民活動・協働ネットワーク懇談会」は、“行政と市民との協働のあり方”などを検討の目的として、2004年（平成16年）2月に、市内の50余の市民活動団体が集まり結成いたしました。

1年後の2005年（平成17年）1月には、協働を促進させるための基本となる“市民活動団体相互の認識の共有化”を図りつつ、協働の考え方、協働を促進させるために必要な事柄や留意点などの検討結果を『私たちの考える協働』としてまとめ、江別市長に提出したところです。

この『私たちの考える協働』の中で、私たちは、協働を進めるためには、市民活動に関する情報の受発信が適切に行われるための「情報ネットワークの整備」と、活動者や市民が気軽に訪れ、情報の受発信や交換、人と人の交流を行うための「場の整備」が必要であると提言したところですが、その後、その実現化に向け、懇談会の中に「実行委員会」を結成し、先進事例調査をはじめ、いろいろな観点から積極的な論議を行ってきました。

この提言書は、これらのことを背景として、「場」（以下、「市民活動センター」という。）の整備の実現化、いわゆる「市民活動センター」を創設するための具体的な検討結果をまとめたもので、センターが持つべき機能、運営形態、設置場所、そして行政と市民の役割分担などについて触れております。

市民活動や協働を進めるにあたっては、市民活動の情報や知識の習得、課題解決の手がかりを得ることが出来る拠点「市民活動センター」の創設は、現在市民活動を行っている人のみならず、これから活動を志す市民にとっても必要不可欠です。私たち懇談会としても、当該センターのいち早い設立のために、今後も一層努力をする考えでおりますが、行政など関係機関におかれましても、本書の趣旨を十分ご理解いただき、その実現に向けご尽力くださいますようお願いをするところです。

最後になりましたが、この「市民活動センター」の創設のための検討、提言書の作成にあたり、全国の「市民活動センター」の検討報告書などを参考にさせていただきました。また、江別市の関係部署の方々や“市民協働アドバイザイー”の小林董信氏から資料等の提供や検討を進めるにあたっての貴重なアドバイスをいただくなど、多くの皆さんにご協力をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

「えべつ市民活動・協働ネットワーク懇談会」世話人　白鳥健志

今日の地方分権化の流れの中で地方行政は自主性が求められており、少子高齢や環境問題などに関する公共サービスの面においても、公益性を有する市民活動と連携・協働した特色のあるサービスの実施が期待されています。

一方、今日の市民意識は「経済的な豊かさ」から「心の豊かさ、精神的な豊かさ」を重視する方向に変化しており、阪神淡路大震災や平成10年の特定非営利活動促進法（ＮＰＯ法）の施行を契機として、ボランティア活動による社会貢献や公益的な目的を有する市民活動が活発化してきています。

これら市民側からは、まちづくりへの参画、自己実現、人と人のつながりを求める要望があり、市民と行政の協働によるまちづくりの実現のために、これら活動のより一層の活性化が望まれています。

懇談会に参加している市民活動団体の多くは、活動に必要な情報や意見交換の機会が少ないため、他団体の活動内容や状況の把握がしにくく、また、自己の活動課題への対応についても、解決の糸口が見出しづらい状況にあります。

この状況は、懇談会に参加していない団体も同様であると推測でき、このため、人と人が集まり情報や意見の交換を行い、自己の活動に関する知識を学ぶことができる「市民活動センター」を作ることは非常に重要であり、全国的にも整備される傾向が強くあります。　以下、市民・市民活動団体・行政、企業等にとって期待される点などについてまとめてみました。

市民が気軽に訪れ市民活動を知ることができ、また、市民活動への参加・参画を求める時に、この「市民活動センター」が受け皿となる。特に、2007年ごろから始まる『団塊の世代のリタイヤ』においては、増大するであろうボランティア活動や市民活動への参画希望者への対応、あるいは活動を誘導する拠点となる。

市民活動団体（自治会、文化芸術等の活動を行う団体および各種サークルなどを含む）にとっては、具体的な支援を得られる場となり、加えて情報の受発信・交換、協働の提案の場となる。　※具体的支援～活動の拠点・資金・人材・課題相談・立ち上げアドバイス・行政情報の受信

平成16年度からスタートした『第5次江別市総合計画』の施策である「市民協働によるまちづくり」の施策展開の一つとなる。また、市民活動団体の情報入手が容易となり、協働の担い手として連携、促進が図りやすくなる。

企業や各種団体・機関などの事業者にとっては、地域社会に対する貢献活動のための情報収集・発信の場となる。

１．市民活動団体と行政、または市民活団体同士の情報交換、情報共有、連携、シナジー効果（波及・相乗効果）を期待できる。

「市民活動センター」のような「いつでも集える常設の場」があるところでは市民活動の広がりが見られます。例えば、江別市は大学の多いまちとしての特色がありますが、学生や若年層との世代を超えた交流が深まれば、市民と学生の活動の連携をはじめ、活動の広がりによる経済効果や、江別市内での起業化などの波及・相乗効果が期待できます。

　２．市民活動センターの常設集会室を活用して、以下の研究会・研修会等を開催することによる人材育成、連携・協働の促進効果を期待できる。

①市民が市民活動に参加する契機を提供する研修会（市民活動団体の紹介等を含む）の開催

②市民活動団体同士の連携強化に資する研究会・研修会の開催

③市民活動団体と行政が協働の内実をつくり広める研究会・研修会の開催

３．市民の市民活動情報の取得、団体設立／運営アドバイス相談業務による市民活動活性化効果を期待できる。

私たちの「市民活動センター」の考え方は、以下のとおりです。

この「市民活動センター」は、市民活動の推進拠点として、市民活動の情報を受発信するとともに、市民活動に関わる多くの団体や市民が共に手を携え交換し、相互のネットワークづくりを行うことにより、活発な市民活動を生み出すことを目的に設立する。

また、利用にあっては、市民活動者・団体のみならず、市民が気軽に訪れる環境づくりに努めることとし、センターを利用する活動にあっては、公益的な活動を行うことを基本とし、市民・市民活動団体・企業・行政が協働して江別の地域文化・まちづくりを育むものとする。

※ 市民活動とは、市民が自主的、自発的に行う営利を目的としない活動であって、宗教、政治、選挙活動でないものをいう。

※公益的な活動とは、不特定多数の人の利益の増進に寄与することを目的とした活動のことをいう。

「市民活動センター」は、(1)の設立目的の達成のために、さまざまな業務・事業を行います。また「市民活動センター」は、以下のことを行う場として考えます。

② 市民活動を行いたい市民、市民活動の情報を受けたい市民を応援する場。

③ 市民活動を通して豊かな地域社会の形成に寄与するために必要とする学習会や研修を行う場。

④ 市民・市民活動団体・企業・行政とのネットワークづくりを行い協働を促進する場。

⑤ 行政や関係機関に対して、市民活動や協働に関する各種の提言を行う場。

本年2月に、懇談会の検討結果をまとめた「私たちが考える協働」の報告書を提出後、懇談会の中に『「場」の整備に関する実行委員会』を組織し、「場」の機能など具体的な内容について話し合いを重ねました（検討経過は、資料1『懇談会および実行委員会の活動経緯』にまとめたので参照してください）。

また、この間、懇談会参加者全員に呼びかけ、「市民活動センター」の候補地を探す「場の候補地探し調査」（市内の既存施設の再活用を中心）や、札幌市に既設する施設の状況を調べる「先進事例調査」を行い、当該候補地の特定作業を行いつつ、先進事例の長短を踏まえて、私たちが望む「市民活動センター」について具体的な検討を行いました。

日時；2005年（平成17年）5月14日（土）、参加者；懇談会メンバー12名、

調査内容；江別市内に存在し、かつ現在使用されていない建物・スペースを中心に現地調査（「場の候補地探し調査」）を行った。

建物概要；旧消防署、鉄骨造2階建、述床258㎡、　所有；江別市

建物概要；事務所・倉庫、セラミックブロック造一部2階建、述床882㎡、

所在；江別市11－5、元町市場内・１階魚屋さん後スペース、

建物概要；鉄骨造２階建、約30坪、　所有；㈱元町開発公社

建物概要；旧寮、木造２階建、述床981㎡、　所有；王子公営㈱

建物概要；店舗・住宅、木造３階建、約30坪、　所有；民間

先の報告書「私たちが考える協働」（５場の整備）を踏まえつつ検討を加えました。検討の視点は以下のとおりです。

高齢者や障がい者などの交通弱者が訪れやすい場所にあるか、かつ、歩道があるなど交通の安全性の高さ。また、夜間でも建物周辺が明るく人通りが多いなどの安心・安全な環境を有するか否か。

望まれるセンター機能を確保するための広さなど、建物自体の使い易さ。

印刷や存置するチラシ等の運搬に、車を使用する利用者がかなりの数あると予想されることから、駐車場は必ず必要。

予想される家賃や水光熱費など、センター運営にかかる経費等。

＜検討結果＞　⇒　旧野幌消防署を市民活動センターの最有力候補地とする

5ヵ所の対象施設について上記①～④の視点から総合的に判断し、旧野幌消防署を最有力候補地としました。　※資料 2-1「場」の候補地探し現地調査評価一覧及び資料2-2「場」の候補地探し現地調査報告　参照

日時；2005年（平成17年）6月5日（日）、参加者；懇談会メンバー12名、

調査内容；札幌市に存在する下記の市民活動センターを訪れ、運営・仕組み・行政と市民の役割分担などについて調査した。

　　■公設公営（行政が施設を所有し、行政が運営・管理を行う）

① 札幌市市民活動サポートセンター（札幌市北区北8条西３丁目エルプラザ内）　

② 道立市民活動促進センター（札幌市中央区北3条西7丁目道庁別館西棟１階）

　　北海道の施設。管理運営はふれあい財団（北海道地域活動振興協会）に委託。

■民設民営（民間が行政施設を借り受け、運営・管理を行う）

③ 旧札幌市立曙小学校（廃校利用）（札幌市中央区南11条西9丁目）

　　札幌市の施設。NPO法人「あけぼの開明舎」が借り受け、市民活動拠点施設として管理運営を行っている。

　　　上記調査の結果、公設公営の施設は、コピー機やパソコン等の設備機器の充実化が素晴らしく、管理・運営費等の面では行政が負担していることもあり、利用者にとっては恵まれた環境となっています。

一方、民設民営の「あけぼの開明舎」にあっては、行政の施設（普通財産）を無償で借り受けているものの、運営にあったては完全な民間経営（会議室のレンタル等の収入で運営）のため実態は苦しそうであるが、夜11時まで開業していることや、運営スタッフが活動の掘り起こしを行っているなど、民間運営ならではの柔軟性が見受けられました。最近は、この施設を活用した新たな市民活動や独自事業が発生するなど、センターの存在が市民活動の活性化につながっているとの感を強く受けました。

こういったことから、これから創設する「市民活動センター」にあっては、自主性と柔軟性に飛んだ運営が望まれることから民設民営を原則とし、施設は行政から「旧野幌消防署」を借り受けて行うことを基本とすることにしました。

⇒　旧野幌消防署を借り受けて行う民設民営を基本とする

　「市民活動センター」の設立目的を実現するためには、創設当初は、主に江別市の市民活動の実態を知ることや、団体・個人のニーズを把握する必要があると考えます。また、「市民活動センター」の活動内容やその事業に関して広く市民に認知・活用してもらいながら、公益的な事業を展開していく必要があります。

　さらに、この「市民活動センター」は、市民の自主性を重んじ、自立した運営を目指すことから、上記の公益的な観点を踏まえながら、参加者の英知を集め収益事業の展開を行っていく必要があります。

　　そこで、「市民活動センター」の事業を、将来展望をも含めて以下のものを想定しました。

市民活動を活性化し、市民活動団体間、あるいは市民活動団体と行政、市民・市民活動団体・行政・企業等の交流を促すための事業を実施する。市民活動団体間の交流を促進することで、共通する問題の解決策を見出したり、組織運営のための情報交換を行う。さらに、様々な支援・協働を望む市民活動団体や、それらの団体に協力・参加したい市民・企業等をコーディネートする。主な内容は以下のとおり。

・市民活動団体・市民・行政・企業等との協働の課題整理と問題解決の促進。

・各種支援（人材・資源など）を求める市民活動団体と、支援したい側（ボランティアや資源などを提供したい市民・企業等・市民活動団体など）の仲介

【具体例】相談対応者やコーディネーターを置く、情報交換会等を開催する

市民活動や協働に関する情報の収集・発信、交換を目的とした事業で、収集した情報を利用者が使いやすいように整理し、情報を必要とする市民や団体が受け取りやすいようにする。このことにより、市民活動の公益性と円滑化が図られる。その内容は以下のとおり。

・市民活動に関する情報の収集と発信（市内外、団体・個人）

・市民・市民活動団体・行政・企業等の相互の対話を促進する情報の提供

【具体例】ホームページの作成、情報誌の発行、置きチラシ・ポスター等の掲示、活動団体の活動状況の把握（資料を蓄積し情報提供する）、補助金等の応募状況の紹介

市民活動団体を支援し、より一層の自立を促すための事業で、以下の観点による。組織のマネージメント能力を高めることで、より安定的で継続した団体運営が可能となる。また、事業や会計報告など各種文書の作成能力を習得し公開することで、市民活動団体の透明性が増すことにつながる。さらに、それが市民活動団体全般の社会的な信頼度の向上を図り、より高い公益性の確保が期待できる。主な内容は以下のとおり。

・市民活動団体の運営に関する研修会の実施（企画立案、プレゼンテーション、労務・財務管理等）

・補助金・助成金申請のための手続き、および各種委託を受けるための支援

【具体例】相談対応者やコーディネーターを置く、研修会等を開催する

市民活動の促進に必要な調査・研究・提言を行う。また、市民活動団体を運営するスタッフの専門性の向上や、ボランティアの基本的な知識等の向上は、市民活動の基盤づくりと発展に不可欠なものであることから、市民活動を支えるスタッフの質的な向上を目指す事業を行う。主な内容は以下のとおり。

・市民活動の促進に必要な調査・研究・提言（団体活動課題調査、補助金等活動支援状況調査など）

・市民活動団体のための人材育成、及び市民活動のためのボランティア養成

先にも述べたとおり、この「市民活動センター」は、市民の自主性を重んじ、自立的な運営を目指すものであることから、収益を視野に入れた事業の展開を図っていく必要があります。

「市民活動センター」の創設当初から実施できるものはもちろん実施しますが、最初は難しいけれど将来実施できる可能性のあるものは、継続して事業化の検討を行うこととします。

・江別市はじめ各種公共・公益機関や団体（民間含む）などからの調査を受託する。

今後、さらに関係者の英知を集めて検討する。一例を以下に示す。

　　生涯学習事業で行われている事業をセンターが担う～委託を受ける

専門的技能、特技を生かした人材バンクシステムをつくり紹介する

・身近な生活情報の発信（FMコミュニティラジオの文字版）

店舗情報等を有料で載せる印刷物を発行する。ニュースレターの活用も考慮。

市生活環境部との協力のもと、廃棄された家具を修理して市民に有料で販売するシステムを構築する（人材バンクの活用も考慮）。

　　「旧野幌消防署」の広さやスペース等を想定しつつ、確保可能な機能・設備等を検討しました。

　　　表1「市民活動センター」に必要な機能及び施設・設備　参照

　　　図1「市民活動センター」スペース（レイアウト）　参照

表1　「市民活動センター」に必要な機能及び施設・設備（案）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　は有料を見込む

「市民活動センター」を運営する基本的考え方は、以下のとおりとする。

①　市民主体の運営とそれを可能とする組織体制を構築する。

③　市民、市民活動団体、行政・企業等が、それぞれの役割を認識し、おたがいの立場を尊重して、自由な意思のもと協働する。

④ 「市民活動センター」は、特定の市民活動団体により運営されるものではなく、多くの市民の参加により行うものとする。

　　　「市民活動センター」の運営については、安定した財政基盤の確保に不安はあるものの、協働やセンターの自主性の観点から、民設民営を原則として考えます。

また、「市民活動センター」の運営形態および組織を考えるにあたっては、「えべつ市民活動・協働ネットワーク懇談会」と行政との関係を十分考慮する必要があります。この「市民活動センター」は、これまでの懇談会の話し合いの中で、市民活動を進めるために必要とされたものであることなどを念頭に入れ考えると、次の３つのパターンが想定できますが、３者の長所・短所を比較して考えると、パターン３の運営形態が最適と思われます。（資料4　センター運営のパターンと評価　参照）

　　※　運営NPOに関しては、今後、運営を担う人達が中心となって詳細を決定することとするが、現時点での想定は以下のとおりである。

・理事は5～7名程度　・活動センターの主旨に賛同する会員を募集（会員の対象は全市民）　・運営にあたっては市民と行政のパートナーシップに基づき行う　・懇談会の事務局を担うことも考慮

　「市民活動センター」の創設は、市民活動と協働の促進を図り、しいてはそれが、市民が主体となった自由で創作性に富んだ江別市のまちづくりにつながると考えて行うものです。

各都市の状況をみると、「市民活動センター」は、通常、持つべき機能が収益性が低いため安定した財政基盤の確保が難しく、また人材の獲得に困難な面がみられることから、たいていは公設公営、場合によっては管理・運営を民間に委ねる形態をとっています。

しかし、この「市民活動センター」の運営を「民設民営」と結論づけたことは、当該検討に参加した江別市の市民活動団体の見識の深さと、逼迫する江別市の財政状況等への配慮の故の結論であることを認識していただきたいと思います。

よって、「市民活動センター」の創設は、市民と行政の協働事業として捉えられ、江別市においても以下の応分の協力を望みたいと考えています。

　　旧野幌消防署の無償貸付、および使用に耐えうる建物補修の協力をお願いしたい。ただし、市民側でも補修等に参加できることが可能なことから（例えば、ペンキ塗りや簡単な内装など）、ボランティアを募り行政・市民が一体となって建物補修を行うことは十分あり得るため、補修費等についても、それに対応できる仕組みを考えていただきたい。

　　試算によると運営経費として約400万円が見込まれます。

　　当該「市民活動センター」の当初から実施可能な事業にあっては、収益性が低く、利益を運営経費に補填することが難しい状況にあります。このため、収益性がある自主事業に関しては、継続して検討することとしますが、その事業が軌道にのるまでの間、江別市が行う調査事業等をセンターに委託することをはじめ、運営費についても協力を望みたいと考えています。

　　情報誌の作成（郵送費含む）　　　 10万円×4回/年＝40万円

　　人件費　専従・ボランティア（交通費含む）120＋60＝180万円

　　調査受託必要経費　　　　　　　　　　　　　　　　　20万円

通信・消耗品（℡・FAX・Web・郵送費等）　　　　　　 60万円

　　水光熱費（冬季間の灯油代含む）　　　　　　　　　　60万円

　　その他（保険、雑費）　　　　　　　　　　　　　約　40万円

　　会議室使用料　　　　　　　　　　　　　　　　　　　30万円

　　団体事務ブース使用料　　　　　　　　　　　　　　　50万円

　　　調査委託費（江別市等）　　　　　　　　　　　　　 100万円

　　　交流機能収益（喫茶等）　　　　　　　　　　　　　 40万円　

　＜例．（企）3万円×50社、（市団）3千×30団、（個）2千×100人＞　　

今後は、「市民活動センター」創設の必要性を広く市民に呼びかけ認知を得るとともに、協力と参加を求めていきたいと考えています。